上司がキス魔で困ります

「だから……たまにはお兄ちゃんに反抗したっていいんだよ。天才の兄だって、こうやってジェラシーに目がくらんで判断を誤ることがあるんだし?」


 冗談めかして言う蘭ちゃんに、私も笑いかける。


「うん、ありがとう」


 ミノリも、蘭ちゃんも、私のことを考えてくれる。見守ってくれてる。

 それがわかると、今まで何に怯えていたんだろうと思えるくらい、あったかい気持ちになった。


 そうだよね。
 良悟さんがフィンランドに行くんだとしても、「待ってる」って、言えるんだもん。

 たぶん二年か三年、遠距離恋愛になっちゃうけど……。

 いや、大丈夫。何しろ特撮DVD買うくらいにしかお金使ってなかったから、貯金は割とあるし!

 半年に一回くらい大目に休みとって、フィンランドに通えるし!

 ハーハハハ!
 待ってろフィンランド!!!!




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