上司がキス魔で困ります
そう、私は、まさか仕事がバリバリできる音羽主任にほめてもらえるとは思ってなくて、その言葉で辛さも一気に吹っ飛んだのだ。
でも……あれ?
あれれ……?
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「春川さん、今日これからどう?」
テーブルの上の手が、いきなり握られた。
「えっ、ちょっと、こういうのは困ります!」
はっと現実に戻った私。
手を引いて勢いよく席を立ち上がった。
その瞬間、椅子が倒れ、テーブルの上の資料がザザザッと床に散らばって大きな音が鳴った。