上司がキス魔で困ります

「そして先週、あんなことを言ったのは、半分やけっぱちだ」
「やけっぱち!」


 まさかやけっぱちで彼女にされたとは思わなかった。だけど……。


「だがそれでようやく、めぐが俺を意識してくれるようになったから、結果良かったんだろうな」


 良悟さんはクスクスと笑って、ブランコに座ったまま私に体を寄せる。


「ペースが速すぎて強引で、自分勝手だった。だがどうしても君を諦めきれなかった、俺を許して欲しい」


 熱っぽい目で、声で、良悟さんはささやく。
 その目はキラキラと輝いて、胸が苦しいくらい私の胸を締め付けた。


 ああ、やっぱり好きだ。
 好きだ。大好きだ。


「良悟さん、諦めないでいてくれてありがとう。私、あなたが好きです。確かに急だったけど、本当に、好きになりました。よろしくお願いします」


 ブランコから身を乗り出して、可愛らしく目を閉じる良悟さんの唇に、キスをした。


 鈍感な私のこの思いが、少しでも伝わるようにと--。






【いますぐできる!天然キス魔な上司とほのぼの(?)社内恋愛】完結










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