上司がキス魔で困ります

 最悪だぁぁぁぁーーーー!!!
 あれを見られるなんてぇぇぇぇーーー!!!
 死んだほうがマシだぁぁぁぁーーーー!!!


 恥ずかしさのあまりドンッと良悟さんを突き飛ばしたが、良悟さんは、
「いやいや……」
と必死でシリアスな顔を作って、もう一度私を抱きしめる。


「お兄さんの愛情だろう、あれは」


 なだめるような声に、ささくれ立った私の心が少しだけ落ち着く。


「……そうかもしれませんけど」
「だから俺もちゃんと現実的にちゃんと決めようと思ったんだ」
「現実的?」
「……ああ」


 そして良悟さんは、どこか決意に満ちた眼差しで私を見つめ、今度は唇にキスをした。


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