上司がキス魔で困ります
「ああ、悪い……」
そして課長ははあっとため息をつき、周囲にほとんど誰もいないのを確認してから、大きな木の下に腰を下ろした。
長い両足を投げ出して座った課長は、とりあえず隣に三角座りをする私の頭を引き寄せる。
「春川くん、顔色がよくないから横になりなさい」
「え?」
「いいから」
そして気がつけば、課長の膝に仰向けに寝かされてしまっていた。
なんと膝枕である。
男性に膝枕してもらうってどういうことだと思ったが、そよそよと吹く風が気持ちよくて、吐き気と頭痛がだいぶ楽になった。
「ありがとうございます……少し、楽になりました」