上司がキス魔で困ります

 その優しく細められた目を見たとき、私の胸の真ん中あたりがギュッと締め付けられて。

 あ、もしかして私、課長のこと好きになってしまってる?

 と、思ったのだった。


 はーーーー!!!
 私のバカヤローーーー!!!
 やってしまった。好きになってしまった。
 なんてこった!

 なんで課長!
 よりによってこんな意味不明な課長でなくてもよくない!?

 けれどそんなことを言ったってどうしようもなくて。思いはなかったことにはならなくて。

 とりあえずの現実逃避で両手のひらで顔を覆うしかない。


「めぐ。どうしてまた今更隠すんだ」
「や、だってそれはあの、緊張するからでっ……」



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