上司がキス魔で困ります
今の所、全てを受け入れてきた私が走って逃げるレベルってどんなだよー!
すると課長はクスッと笑って私の顔を下から覗き込んでくる。
「めぐ、ウソだ」
「いーや、信用ならないですね」
「いや、ほんとに。本当の本当」
音羽課長が真面目な顔で子供みたいな言い訳をするから、プッと吹き出してしまった。
「私、課長がこんな楽しい人だなんて、想像してなかったです」
「俺は無愛想だしな。顔も怖いと言われるし。まぁ、取り立てて無愛想にしているつもりはないんだが……」
そして課長は長い足を片方だけ引寄せて、そこに両腕をつき、こてんと頭をのせる。
「昔から、俺の言うことに臆せず、なにも変わらず話しかけてくるのはめぐだけだ」
「え……?」