ほんの少しの言葉が、
彰は慌ててテレビを消し、電話をとった。
「もしもし!!はい、大丈夫です!
今から??…全然大丈夫です!」
全然大丈夫??…私いるのに。
仕事の電話がかかってきたら絶対、
…無理って言わない。
用事があるって言わない。
私がいるのに、
その電話が鳴った瞬間から、実はもう帰る支度をしている私。
彰が電話を切る頃にはもう、彰の部屋には居ない。
ほんとはね、嫌って言いたい…
行かないで!私がいるじゃんって…
でもね、嫌われたくないの。
邪魔って言われたくないの。
だから私は、こうするしかないの…