ネコと上手に付き合う方法



「佐々木ー。ほら、いつもの。」



小乃美ちゃんの教室前を通ると、男が小乃美ちゃんを小袋で釣っていた。



「わぁ!今日はクッキーだぁ!!」



嬉しそうに受け取る小乃美ちゃんと、誇らしげな男にイラッとする。



そのまま素通りしようとすると、



「あっ、西谷先輩!こんにちは♪」


「あぁ。」



素っ気なく返すと、



「?先輩、どうかしました?」


「別に。」



チラッとクッキーを持って来た男を見ると、思いっきり俺見てるし。



「それ、座って食べたら?」


「え?あ、はい。」



小乃美ちゃんの声が小さくなったことを気にすることもなく、俺はその場を去って行った。



我ながら小さい男だ。


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