ネコと上手に付き合う方法
昼休みになっても、俺はあの場所に行く気にはなれなかった。
「俊が昼休みに教室にいるの珍し。」
コーラ片手に椅子の前足を浮かせて座っていた大翔が、机に突っ伏してる俺に話し掛けてきた。
「今日は外出る気にならなかっただけだよ。」
「ふ~ん。」
小乃美ちゃんに会ってること、こいつにバレてなくて良かった…。
知ってたら絶対いじられるとこだった。
「俺はてっきり密会でもしてんのかと思ってたよ。」
!!
あっぶね!
俺がコーラ飲んでたら吹き出してるとこだったわ。
「お前は知らねーだろうけど、この時期の外での昼寝は最高なんだよ。」
「じゃあなんで今日はここ?」
やべ、墓穴掘った?
「だから、今日は外出るのが億劫なだけだって。」
「……本当に?なんか今日機嫌悪くね?」
「悪くねーよ。」
「いやぁ俺には分かる!お前なんか隠してるだろ?」
あーうざい。
ゆっくり寝させてはくれなさそうだ。
「なんでお前に全部話さなきゃいけないんだよ。」
俺は席を立って教室を出た。