ネコと上手に付き合う方法
次の日の昼休み、俺は校舎裏に来た。
小乃美ちゃんは俺を見ると、パァッと笑顔になった。
「小乃美ちゃん、松田君に餌付けされてんだってね?」
隣に座って意地悪な質問。
小乃美ちゃんの方を見ると、
「西谷先輩が止めろって言うなら止めます。」
うつむきながら答えた。
「なんで?俺、小乃美ちゃんの彼氏でもないのに?」
「西谷先輩には…嫌われたくないです。」
膝を抱えながら顔を隠す姿は可愛いけど、ごめん。
俺、不信感でいっぱいなんだ。
小乃美ちゃんにとって俺も、かまってくれる優しい人の一人にすぎないんだろ?
君は、皆ににかまって欲しくて愛想を振り撒くんだろ?
「嫌わないよ。でも、好きにもならない。
だから、餌付けされてても俺は止めないよ。」
「好きになって欲しいだなんて思ってません。ただ…西谷先輩に特別な人が出来るまでは、今までみたいに一緒に日向ぼっこ…したいです…」
“どうして?”
そう言いそうになったけど、俺はその言葉を飲み込んだ。
だって俺は、自分が傷付くのが嫌で予防線を張ったのに、君の気持ちだけ聞こうとするなんてずるいだろ?