ネコと上手に付き合う方法
「よし。じゃあ帰ろう。」
小乃美ちゃん、亜璃ちゃんと合流すると、俺は再びスタスタと歩き出した。
「え!?まだ大翔先輩が…」
「あいつはさっき俺が抹殺してきた。」
「ええーーー!?」
いったい小乃美ちゃんはどこまで本気にしてるんだ?
亜璃ちゃんは後で声を押し殺して笑ってんのに。
「しゅーーーん!!悪かったってーー!!!」
チッ。もう来たか。
「小乃美ちゃん、気を付けて。あいつ実は吸血鬼なんだ。だから何度殺しても死なないの。」
「ええっっ!?」
「プクククッ……ちょ…もう止めて先輩…!!」
亜璃ちゃんはお腹を抱えてその場にしゃがみ込んだ。
「はぁ~やっと追いついた…。」
「ぎゃあーーーー!!」
血相を変えて走って来た大翔を見て、小乃美ちゃんは本気で驚いて俺に飛び付いて来た。
あぁもう、可愛い……
「ごめん、ごめん。まさか本気にするとは思わなくて。悪ふざけが過ぎたね。」
小乃美ちゃんの頭を撫でると、
「大翔先輩、本気で怖かったです…」
小乃美ちゃん。潤んだ目で見上げるのは、反則です。
「うん、後で顔面殴っとく。」
俺は明らかに赤くなっていたであろう顔を小乃美ちゃんに見られないよう背け、そっと体を離した。
咄嗟とはいえ、しがみつかれるのはやっぱり心臓に悪いし、理性を保つのも大変だ。