ネコと上手に付き合う方法
教室に戻ると、
「俊!」
大翔が紙をヒラヒラさせていた。
「ほい。今回は特別ペアチケットだ!ありがたく思えよ。」
あーそうか。今度のライブチケットだ。
「ケチで有名な大翔にしては珍しいな。」
大翔の手からチケットを取ろうとすると、グッと力を加えられ抜けない。
「どーゆーつもりだ?」
「なぁ。亜璃ちゃん来てくれるかな?」
「あ?そんなん知らねーよ。帰り本人に直接聞けばいいだろ?」
「即行で断られたらショックだろ?だから断られない方法を賢い俊君に考えて欲しいわけよ。」
こういう時だけ調子の良いこと言いやがって。
でもまぁ、大翔も上手くいって欲しいと思うのも事実なんだけど…。
「そんなに心配しなくても大丈夫なんじゃないか?そもそも、一番興味持ってるのは亜璃ちゃんなんだから。」
「そ、そっか!」
「それに、俺と小乃美が付き合い始めてから四人で帰ってるってことは、亜璃ちゃんも大翔のことは嫌いじゃないと思うぞ?」
「そっかな?うまくいくかな?」
「え、もしかして俺の誕生日に告白する気?」
「なんだよ。おれがいつ言おうが関係ないだろ?お前なんておれに一言も相談しないで勝手に告白しやがって!!おれはなぁ。寂しかったんだぞ!」
「いや、そもそもお前に相談したことないし。つうか、いい加減それ寄越せ。」
「やだ。亜璃ちゃんが来ると言うまではお前にこのチケットは渡さん!!」
じゃあなんで今見せたんだよ…
せっかく小乃美に癒されてきたばっかなのに、今のやり取りでどっと疲れたじゃねーか。