ネコと上手に付き合う方法
ライブ当日―
今回はいつものライブ会場じゃないんだよな。なんでだ?
そんなことを思いつつ小乃美達と合流し、会場の中へ。
中の広さも、いつもの会場とそんなに変わらない。
でも、いつもより人多くないかこれ?
大翔達、いつの間にこんなにファン増やしたんだよ。
「小乃美、大音量になると思うけど、大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
満面の笑みで返された。
耳が良い小乃美にとっては辛いんじゃないか?と危惧したのも束の間、いざライブが始まると楽しそうにしている小乃美を見て、ホッと胸を撫で下ろす。
「あの方も、素敵な声ですね。」
お、おい…
「でも、」
小乃美はじっと俺を見つめると、
「俊くんの声はもっと素敵ですよ。」
な、なんなんだよ!ずりぃよ!!
「バカ。こんなとこで言うな。恥ずい。」
こつんと頭を小突くと、小乃美はふふっと笑った。