君のことが、どうしようもなく好きです
奏side 1
――それから、2週間くらいして、朝。


「お、おはよ福原さん!」


「おはよう相馬くん。今日は早いんだねっ」


そう言って、にこっと笑う福原さん。やべ、まじかわいい。


俺、相馬奏は、入学してからというもの、ずっと福原さんにアピールしている。なぜか他の子とは気軽に喋られるのに、福原さんだけはどうも上手くいかない。


なんだコレ、今までどうやって喋ってた?考えすぎて、なかなか福原さんと近くなれない。


しかもなんだ「福原さん」って!どうした俺、いつもみたいに名前で呼べばいいじゃねーか。


今はこんなに隣にいるのに。2週間もしたのに名前で呼べないこともあって、なぜか変な焦りがあった。


「どうしたの?相馬くん、どっか具合悪い?」


そのことを考えていると、難しい顔してたのだろうか。心配している顔で俺を見ていた。


「あぁいや、なんでもないよ!ちょっと考え事」


「そう?何か悩み事かなーって。ごめんね」


福原さんは、そう言ってまた笑った。


ああ、やっぱりかわいい。ちくしょう、かわいすぎだろ。


その笑顔は、俺を幸せにしてくれるんだ。朝からこんな幸せでいいのか、と思うくらい。
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