役立たず姫の一生〜永遠の誓いを貴女に〜
やっぱり俺はカイル兄上に嫌われているらしい。

お説教の後には更なる嫌がらせが待ち受けていた。

「あの〜、何でこんな事をしなくちゃならないんでしょうかね」

恐ろしいほどに殺気立ったカイル兄上が長剣を構えて、俺の前に仁王立ちしている。

テオはニヤニヤしながら、エレーナは少し心配そうに俺達の様子をうかがう。

「お前、仮にもティーザ家を名乗るのならば、少しは剣の鍛錬をしろ。 いつまでも穀潰しのような生活をするな」

テオの腰の剣を抜き取り、俺に向かって放り投げる。

穀潰しは全く反論できないが、ティーザの名は名乗るなと言うのならその通りにしてもまぁ構いやしない。

そう思ったが、言葉にする間もなく兄上の剣が頭上に振りかぶってきた。


ーーキィーン。

金属がぶつかる嫌な音が響く。

手合わせをするのは久しぶりだが、以前よりずっと重みが増している。

剣を受けた右の手首がびりびりと痺れた。

その後もどんどん打ち込まれ続けたが、とにかく剣筋を避けることと避け切れない攻撃を受け止めることに集中した。

専守防衛、はっきり言えば逃げ続けた。
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