役立たず姫の一生〜永遠の誓いを貴女に〜
そもそも、エレーナを婚約者として迎え入れた二年前と今ではすっかり状況が変わってしまった。
国王陛下が病に倒れたのだ。
政務を執り仕切るどころか起き上がることもできない状態にあり、回復の見込みは薄いという。
次期国王であるミレアム王太子はまだ7歳の子供であるうえに身体があまり丈夫ではない。
もし幼いミレアム殿下が国王になれば、その母であるアンヌ王妃の権力は今以上に強大になってしまう。
それを良しとしない貴族達は反王妃派の旗頭としてエレーナに目をつけた。
彼女は今や役立たず姫ではなく、次期国王候補の一人になったのだ。
「もし・・もしもエレーナ王女が次期国王に選ばれたら、お前達は結婚できないのか?」
テオが聞くまでもないような愚問を投げかけてきた。
「そりゃ、当たり前だろ。 一国の王が何の益にもならない三流貴族となんか結婚する筈がない」
俺がエレーナの婚約者に選ばれたのは、彼女が役立たず姫だったからだ。
いや、俺の妻にすることで役立たず姫に
してしまいたかったのだろう。
今や、反王妃派の貴族達は婚約を破棄し、エレーナを王都に戻したがっていた。
彼女の安全を考えて、父やミハイル兄上が何とか宥めているような状態だった。
国王陛下が病に倒れたのだ。
政務を執り仕切るどころか起き上がることもできない状態にあり、回復の見込みは薄いという。
次期国王であるミレアム王太子はまだ7歳の子供であるうえに身体があまり丈夫ではない。
もし幼いミレアム殿下が国王になれば、その母であるアンヌ王妃の権力は今以上に強大になってしまう。
それを良しとしない貴族達は反王妃派の旗頭としてエレーナに目をつけた。
彼女は今や役立たず姫ではなく、次期国王候補の一人になったのだ。
「もし・・もしもエレーナ王女が次期国王に選ばれたら、お前達は結婚できないのか?」
テオが聞くまでもないような愚問を投げかけてきた。
「そりゃ、当たり前だろ。 一国の王が何の益にもならない三流貴族となんか結婚する筈がない」
俺がエレーナの婚約者に選ばれたのは、彼女が役立たず姫だったからだ。
いや、俺の妻にすることで役立たず姫に
してしまいたかったのだろう。
今や、反王妃派の貴族達は婚約を破棄し、エレーナを王都に戻したがっていた。
彼女の安全を考えて、父やミハイル兄上が何とか宥めているような状態だった。