小さな小さな物語
あの人があたしを捨てたから……
自身が産んだ娘より
女として生きる道を選んだ母親
いまでも、覚えている
最後にあたしに言ったあの人の言葉
あの人は
「もう、1人で生きていけるわね。あなたはしっかりしてるから大丈夫ね。あたしは、もう一度人生をやり直したいの!分かってくれる?じゃあね。げんきでね。」
あの頃のあたしは
子供過ぎて言い返す言葉さえも出来ず
受け入れる事しか出来なかった。
そして、出ていった玄関のドアを見つめることしかできずにいた。