話をしよう。
「...幸せかって?
俺のこと、心配してくれてんの?」
「そうだよ。
弟の心配して、何が悪いのよ」
「弟ね...."義理"のだけどね」
「...血が繋がってなくても、関係ない。幼い頃、お母さん達が再婚して、その時からずっと、私にとって啓太は、たったひとりの大切な弟よ。」
そう言えば、啓太はゆっくりと目を伏せた。
「.....それでも、俺はずっと」
『菜穂子ー!啓太ー!
お前たちは父さんの、自慢の子だぞー!』
そんな大きな声が啓太の声を遮った。
私と啓太はふたり顔を見合せた。
「...なんだよ、酔っ払い親父」
「近所迷惑になっちゃうじゃんね」
そうして、クスクス笑っていたら、啓太は小さな溜め息を吐いた。それから、伏せめがちに、やるせないような表情で微笑んだ。