いぬorひと
ウゥーーーーーーーーー
唸り声を上げるノラ
「・・・・・・・どうした?」
私はあくまで冷静だった。
だが、その態度が気に入らないのか前足を振り上げ、胸元あたりの服を引き裂いた。
ツゥーーーー
引っ掻かれて血が流れ出るのが感覚でわかる。
が、私は痛みに顔をしかめもせず
じっとノラの目を見ていた。
「・・・私はさっき犬語はわからないといったはずだ。
私に言いたいことがあるのなら人間に戻ることだな。」
すると見ていたノラの顔の輪郭がぶれる。
そこには顔を歪めたノラがいた。