いぬorひと
私はノラの変身体質のことを除いて花蓮に話した。
話しているあいだにみかんはどこかに行ってしまったらしい。
「おねいちゃん試験受けなかったの?」
驚いたように言う花蓮にそういえばと思い出す。
そうだったな。
途中から忘れていた。
「まあな。」
「まあなって、おねいちゃん浪人決定だよ。」
「・・・・・あいつの命には変えられないだろ。」
命と受験を天秤にかけるまでもない。
「父さんと母さんには話せばわかってくれるだろう。」
あのふたりは動物愛好家だからな。
多分ワケを話せばわかってくれるだろう。
「意外!!おねいちゃんなら見捨てそうなのに・・・・・・」
いったい花蓮は私をなんだと思っているんだ。
表情にはでなくても感情はある。
それに
「・・・・・・雪の日に家の前で
あんな大きな奴が倒れてたら
ほおっておくことはできないだろ」