いぬorひと
重い・・・・・
白い獣の前足を両手でつかんで引きずってきたはいいものの
私の体力は
玄関前の廊下でものの見事に尽きた。
一旦手を離して手を休ませる。
しびた手をさすりながら、横たわる獣をじっと見る。
にしてもこいつどこから来たんだ?
私の住んでいるところは田舎だ。
森に近いこの地ではたぬきやうさぎなんかはよく目にするが・・・
狼が住み着いているとは聞いたことがないな・・・・
私はそんな疑問を浮かべながらとりあえず自室へと運び入れる。
すると一瞬獣の姿がコピーが失敗した時のようにズレて見えた。
疲れているのか・・・・・
思わずそう思うが、
え、
次の瞬間、白い獣は16歳くらいの少年になった。