いぬorひと
「みかんって奴いけすかねえ!!」
妹はあのあとすぐ自分の部屋へ戻っていった。
すると花蓮が出て行ったとたんノラは白髪金眼の少年の姿になってそういった。
「何をそんなに苛立っている。」
「あいつ、あいついきなり部屋に来て・・・」
「驚いたのか?」
「!違う!『この家を荒らしたのはお前だな?』っていってきやがって
いきなり説教かましやがった!!」
それは自業自得のような気がするが・・・・・。
普段おとなしいみかんが怒ったのも
まあ無理もない。
家に戻ったら自分の縄張りが荒らされていたのだから。
みかんもさっきの私の母親と同じ心境なのだろう。
「みかんに家を荒らして怒られたからいけ好かないのか・・・?」
「違う!!」
・・・・・違うのか・・?
「あいつ説教しやがったあと
理亜んとこ行っだろ。」
みかんは私のところに来る前に
ノラのところへ行ったのか・・・・・・?
にしてもこいつ私の名前初めて呼んだな。
「ああ、あの時か
確かに来たな。
でも、なでてやったら、すぐに行ってしまった。
というかおまえ見てたのか?」
そこを指摘されるのはやなのか目を泳がせる。
でもコイツの無言はたいてい肯定の意味だろうからな。
黙っていてもわかりやすいな。
あの時みかんをなでたことに怒っているのか・・・?
それ以外の理由がない。
もしかしてそのことに怒っているんじゃなくて・・・・
「すねていたのか・・・?」
すると顔を真っ赤にして
「すねてなんかねえ!!」
照れてる・・・・
この反応はニアピンか・・・・・・?
直感的にそう思った。
「・・・あまりキャンキャン吠えるなよ。花蓮たちに聞こえるぞ。」
そう言うとハッとしたように口をつぐむ。
「私があの時みかんをなでたのは
あれが私にとって
日常化されているからだ。」
「理亜お前、あん時わらってたじゃねえか!」
そういえばそうだな。
言われてみると笑ったような気がしないでもない。
でもそれでなんでノラが怒ってるんだ・・・・・?