いぬorひと






「私の笑った顔が気に障ったのか?」





「ちげえよ!!」



間髪いれずに答えたノラ。





何なんだ一体・・・・・?




わけがわからない。





わからなくて答えを求めるようにのらをじっと見て観察してみる。





ノラは私の視線を逃れるように身動ぎをする。










「お前、俺を撫でようとしねえし



俺の前じゃ表情一つ変えねえし。」







ノラはブツブツと観念したように話したあと



ぷいっと




背を向けた。




「お前私に撫でられたかったんのか?













やはり犬だな。」





「俺は犬だけど犬じゃねえ!!





俺はあいつらとは違うんだ!!」










まあ、確かにな・・・・






ノラは犬だが




普通の犬とは違う。






分かるにはわかるのだが・・・・・






「私には姿が違うだけで中身はほかの犬と大差ないと思うが・・・?」






ノラは背を向けているため




さすがの私も表情を読み取ることができなかった。









「それになでなかったのは




お前が体中に怪我をしてるだろう。」




「は?」




「それに犬の時にはお前のけで傷が見えにくい。




誤って触れば



傷口からバイキンが入ってしまうかもしれないだろ。」







「・・・俺をなでなかったのは




おれのため?」





「それ以外にないだろう?




意外だな。




お前は触られるの嫌そうに見えたが・・・?」





風呂に入れて体を洗う時やたら抵抗していたのを思い出す。





お湯をかける時よりシャンプーで体を洗っている時に



暴れるものだから、



てっきり




お湯がやなんじゃなくて





私に触られるのを




嫌っていたのだと思ったが・・・・・?





私の思い違いだったのか?








「・・・・・、・・・・じゃねえ。」





「何だ?」



考え込んでて聞こえなかった。




「だから!」



そう言ってガバリと振り返る。



首まで真っ赤に染めて









「お前に触れられるのは嫌じゃねえ。っつったんだ!!」








そういった様子があまりに必死だったので





思わず




クスリ




と笑ってしまった。










































< 40 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop