いぬorひと
まずい・・・・・
考えてみれば今日は元々ノラの機嫌が悪かった。
事あるごとに通行人を威嚇して
吠えて
噛み付こうとして・・・・・・・
そこまで考えて
私はバッっと
立ち上がった。
そして急いでノラを探そうとする。
「待って、」
がしっと
私の腕を掴む。
「離してください」
「まあ、待て、
お前はノラがあそこまで怒った理由に見当がついているのか?」
「いや、まだ」
とにかく腕を離して欲しい。
またあいつは人を傷つけようとするかもしれない。
「・・・俺には見当がついている。」
私は驚いて宏さんを見返す。
「おそらくのらは・・・・・」