僕 ✕ 私
美雨Side______

最悪。

学校に来て、熱が出て、意識失った…。

目の前に広がる白い天井と、かすかに香る薬品の匂い。

ふかふかのベッドが気持ち良すぎて、まぶた同士が仲良くしたがっている。

…保健室か…。

病院じゃなくてよかった。


?「みっ、美雨!!」


半なき状態になりながら駆け込んできたのは


美雨「あれ?加奈と奏汰くん!」


前にも紹介したっけ。

親友の三島加奈。
奏汰くんは加奈の双子の弟で、身長がちっさくて、だけど気が強い男の子。


加奈「奏汰がね、どうしても美雨に会いたいって聞かなくて。」

奏汰「ナッ…そそそそんなんじゃない!!」

加奈「もー、照れちゃって!」


ホント仲いいんだか悪いんだか…。

この二人、いっつも何かしら喧嘩ばっかり。

しかもその根が些細すぎることで。


美雨「奏汰くんが照れたとか照れてないとか
    どっちでもいいよ。
    奏汰くん、きてくれてありがとう。」


私が仲裁に入るとすぐ終わる程度なんだけど。


奏汰「別に…/////」


耳を赤くして、口元を腕で隠す。

…?どうしたんだろ。


美雨「奏汰くん、耳赤いよ?熱あるんじゃ?
    あ、もしかして寒かった?」

奏汰「熱もないし寒くもない!
    あとこれ!バレンタイン!!」

美雨「えっ?あっ、ありがとう!!」


逆チョコもらっちゃったよううううう!!

嬉しいっ……。

…涼にはもらえるのかな。


加奈「奏汰のバァーカ。こんなとこで渡すか?
    普通!」

奏汰「いいだろ!どこで渡そうが俺の勝手だ!」

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