僕 ✕ 私
きっかけ
あぁ…もらえそうにないんだけど。
午後1時30分。
お昼を終えた生徒たちが、一瞬にして教室からいなくなる。
昼休みはバレンタインのチョコ配りをする女子たちにとって、最もチャンスの時間なのである。
その狙いはもちろん_____
女1「涼くぅーーん!!」
女2「深瀬くん!!」
深瀬涼である。
この調子じゃもらえないよ…はぁ。
涼「ごめんねみんな。俺、チョコ苦手w」
涼が必死に断っているのが聞こえる。
モテる人はいいよね。
?「みーうーちゃん!」
美雨「ん…?」
?「初めましてっ。突然だけど、僕と付き合ってくれないかな?」
美雨「え?……えぇぇぇぇーーー?!?!」
突然の告白。
大声を響き渡らせた私に、みんなが振り向く。
廊下からも観客が押し寄せてくる。
?「声大きい!!」
美雨「あっ、いや、その…突然過ぎて」
大声を上げるのも無理ない気がする。
?「僕は本気だよ」
美雨「いや、名前も知らないし…」
?「僕は崎原 恭介《さきはら きょうすけ》。
3年だよ。君からしたら先輩かな?」
美雨「ですね」
名前も知らないって言って名前教えられるとは。
まぁ普通か…w
でもなんで私なんか?
てか初対面じゃん。
美雨「………」
恭介「君が今疑問に思ってるのはわかる。
初対面なのになんで自分なのかって思っ てるんでしょ。」
美雨「は?!なっ、なん…で」
恭介「僕ね、心が読めるの。」
美雨「は?」
この人、バカにしてるのか?
いくら頭が悪い私でもそんな非現実的なこと信じるわけないじゃない。
恭介「まぁ信じてくれないのも無理ないけど
さ。」
美雨「信じる信じない以前にバカバカしい
です。そんな嘘平気でつける人、私は
嫌いです」
恭介「…全く信じてないんだねw
じゃあ証拠を見せてあげるよ。なにか難 しいことでも考えてみて。」
この人は何を言ってるんだろう。
突然告白されて、心が見えるとか言い出されて、挙句の果てに何か考えろって…。
自分勝手にもほどがあるわ!!!!
すると崎原先輩は静かにつぶやいた。
恭介「自分勝手…」
美雨「えっ」
私は思わず声を出す。
周りの観客たちは相変わらず私達に視線を送っている。
恭介「僕のこと、自分勝手だって思ったでしょ。」
美雨「なんで…声に出てた…?!」
恭介「だから、僕は心が読めるんだって。」
美雨「そんなことあるわけない!!!
非現実的過ぎて話にもならない」
私が感情をあらわにすると、横から涼に腕を取られ、引っ張られた。
涼「落ち着け美雨。」
美雨「涼…。」
涼「崎原先輩は確かに意味不明なこと言ってる 。
だけどそれで美雨が感情的になること
ないよ。」
美雨「っ…涼…」
掴まれたままの腕を見つめていると、視界が歪む。
目をこすった手の甲が少しだけ濡れた。
涼「泣いていいよ。俺が隠すから。」
そんなに優しくしないで…。
そんなに優しくされたら私…涙が止まらないよ。
美雨「突然告白されて…わけわかんなくて…
好きな人いるのに、どうすればいいのか わかんなくて…っ」
涼「うんうん。」
美雨「だけどうまく断れなくて…
戸惑ってるのに心が読めるとか言われて …もう頭がおかしくなりそうだよ…」
涼「大丈夫、大丈夫だから。」
静かに微笑んでそっと背中をさすってくれる。
あぁ、好きだなぁ…。
その時改めてそう感じた。
午後1時30分。
お昼を終えた生徒たちが、一瞬にして教室からいなくなる。
昼休みはバレンタインのチョコ配りをする女子たちにとって、最もチャンスの時間なのである。
その狙いはもちろん_____
女1「涼くぅーーん!!」
女2「深瀬くん!!」
深瀬涼である。
この調子じゃもらえないよ…はぁ。
涼「ごめんねみんな。俺、チョコ苦手w」
涼が必死に断っているのが聞こえる。
モテる人はいいよね。
?「みーうーちゃん!」
美雨「ん…?」
?「初めましてっ。突然だけど、僕と付き合ってくれないかな?」
美雨「え?……えぇぇぇぇーーー?!?!」
突然の告白。
大声を響き渡らせた私に、みんなが振り向く。
廊下からも観客が押し寄せてくる。
?「声大きい!!」
美雨「あっ、いや、その…突然過ぎて」
大声を上げるのも無理ない気がする。
?「僕は本気だよ」
美雨「いや、名前も知らないし…」
?「僕は崎原 恭介《さきはら きょうすけ》。
3年だよ。君からしたら先輩かな?」
美雨「ですね」
名前も知らないって言って名前教えられるとは。
まぁ普通か…w
でもなんで私なんか?
てか初対面じゃん。
美雨「………」
恭介「君が今疑問に思ってるのはわかる。
初対面なのになんで自分なのかって思っ てるんでしょ。」
美雨「は?!なっ、なん…で」
恭介「僕ね、心が読めるの。」
美雨「は?」
この人、バカにしてるのか?
いくら頭が悪い私でもそんな非現実的なこと信じるわけないじゃない。
恭介「まぁ信じてくれないのも無理ないけど
さ。」
美雨「信じる信じない以前にバカバカしい
です。そんな嘘平気でつける人、私は
嫌いです」
恭介「…全く信じてないんだねw
じゃあ証拠を見せてあげるよ。なにか難 しいことでも考えてみて。」
この人は何を言ってるんだろう。
突然告白されて、心が見えるとか言い出されて、挙句の果てに何か考えろって…。
自分勝手にもほどがあるわ!!!!
すると崎原先輩は静かにつぶやいた。
恭介「自分勝手…」
美雨「えっ」
私は思わず声を出す。
周りの観客たちは相変わらず私達に視線を送っている。
恭介「僕のこと、自分勝手だって思ったでしょ。」
美雨「なんで…声に出てた…?!」
恭介「だから、僕は心が読めるんだって。」
美雨「そんなことあるわけない!!!
非現実的過ぎて話にもならない」
私が感情をあらわにすると、横から涼に腕を取られ、引っ張られた。
涼「落ち着け美雨。」
美雨「涼…。」
涼「崎原先輩は確かに意味不明なこと言ってる 。
だけどそれで美雨が感情的になること
ないよ。」
美雨「っ…涼…」
掴まれたままの腕を見つめていると、視界が歪む。
目をこすった手の甲が少しだけ濡れた。
涼「泣いていいよ。俺が隠すから。」
そんなに優しくしないで…。
そんなに優しくされたら私…涙が止まらないよ。
美雨「突然告白されて…わけわかんなくて…
好きな人いるのに、どうすればいいのか わかんなくて…っ」
涼「うんうん。」
美雨「だけどうまく断れなくて…
戸惑ってるのに心が読めるとか言われて …もう頭がおかしくなりそうだよ…」
涼「大丈夫、大丈夫だから。」
静かに微笑んでそっと背中をさすってくれる。
あぁ、好きだなぁ…。
その時改めてそう感じた。