ハレときどきアメ~涙の裏にあるヒカリ~




沈黙を破ったのは洸くんだった。


「俺の話……聞いてほしいんだ…」


声は出さず、コクンと頷いた。


「実はさ……誰かに打ち明けるの、初めてなんだ。…俺……ドナー探してるんだよね…んで、年内にドナー見つからないと………俺……死ぬんだって……」


死ぬ。


この言葉に息を呑んだ。


「…怖い……死ぬのが…怖い…怖くてたまらない…。」


あたしも怖かった。


洸くん達に会うまでは……。


いくら助かるといっても、腫瘍があるいじょう、いつ何が起こるかは分からない。


…こんな大きな病院でひとり…闘うのが怖かったんだ。


怖いの中に…寂しいもあったかもしれない。


< 14 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop