ハレときどきアメ~涙の裏にあるヒカリ~
沈黙を破ったのは洸くんだった。
「俺の話……聞いてほしいんだ…」
声は出さず、コクンと頷いた。
「実はさ……誰かに打ち明けるの、初めてなんだ。…俺……ドナー探してるんだよね…んで、年内にドナー見つからないと………俺……死ぬんだって……」
死ぬ。
この言葉に息を呑んだ。
「…怖い……死ぬのが…怖い…怖くてたまらない…。」
あたしも怖かった。
洸くん達に会うまでは……。
いくら助かるといっても、腫瘍があるいじょう、いつ何が起こるかは分からない。
…こんな大きな病院でひとり…闘うのが怖かったんだ。
怖いの中に…寂しいもあったかもしれない。