ハレときどきアメ~涙の裏にあるヒカリ~




くらい部屋だった。


今さっき起きたばかりだったから頭がふわふわしていて目を開けているのも精一杯だ。



ひとつ明かりがある。


そこにはレントゲン写真が貼られてあった。形からして脳だ。



「彩葉さん……」



先生がこれでもかというくらい優しい声であたしの名前を呼んだ。



「彩葉さんの病名は……脳腫瘍です。」



ああ。やっぱり病気だったんだ……あの頭痛もその症状だったのか。



「幸い、発見が早かったため、手術をすれば腫瘍を取り除くことができます。」



よかった……。あたし治るんだね。



「…ですが…腫瘍の位置が厄介なため、神経を傷つけてしまう恐れがあります。手術が成功したとしても後遺症が残る確率は高いです。」



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