あんたなんて!

怪我人

【ねー明日香ー!】

めずらしく元彼の司から連絡がきた。

なんだろ?

【どした?】

また遊ぶとかかな?

【明日先輩のお見舞い行くからついてきてー】

は?先輩?あたし関係なくない?

でも明日は暇だからいいかな?

【いーよ、どこに行けばいい?】

すぐ返信が返ってきた。

【市立病院の入口に学校終わったらすぐに来てー】

学校終わったらすぐ!?

市立病院って学校から微妙に遠いんですけど?

まーいーや。

【りょーかい!】



学校長かったー

一応学校終わったこと言ったほうがいいのかな?

【学校終わったから今から向かうね】

・・・

返信こらんし

とりあえず向かおうかな?



市立病院まで遠い。


あー、やっとついたー!

あ、司いた!

あの車いすの人が先輩かな?

「明日香!おそいわー」

しょーがないじゃん!これでも早歩きできたほうなんだから!

「お前が司の元カノ?」

なんか、怖そうな人

「はい、花森明日香(はなもりあすか)です。司と同い年です」

「明日香ね、俺は上田龍紀(うえだたつき)だから。19歳。タメ口でいいからね」

龍さん、案外優しそう!

「てか、お前背小さくね?」

りゅ、龍紀さん・・・

あたしのコンプレックスを見事に言ってくれた・・・

そう、あたしは小学生の高学年の人に抜かされるぐらいの背の低さ。

142センチ。

「龍紀さん、それを言わないでください・・・意外と気にしてます」

龍紀さんめっちゃ笑ってるし!ひ、ひどい

「俺は背低い子好きだけどな!」

「ちょ、龍紀君立ってみてよ!」

もー龍紀さんが立ったら余計背低いのわかっちゃうじゃん!

司のばか!

龍紀さん立つんかい!!

「「え、やっば!身長差」」

二人が声そろえて言うから見上げてみれば・・・

これはやばい。たっか!

「明日香何センチなん?」

これは正直に言うしかないか

「142・・・」

「俺と40センチ差なんだけど」

40センチ差?ってことは・・・

182!?それは高いわ

あ、そーいや

「そーいえば龍紀さんってなんで入院してんの?」

初対面でタメ口はやばかったかな?

あ!でもタメ口でいいって言われてるからいっか!

「あー、上司に熱湯かけられて足の皮膚がめくれた」

熱湯!?

「えっと、なんの仕事してんの?」

「足場で働いとるよ」

「え、なんでそれで熱湯?」

足場って熱湯使わないよね・・・?

「遊んで熱湯がかかった」

痛そう・・

「龍紀くん、俺たばこ吸ってくるわ」

え、司ー

2人は気まずいぞ・・・

「ねーお前彼氏いんの?」

急にその話題か!

「おらんよ?」

「ふーん」

あ、それだけ?

「眠い・・・」

あー、つい口にでてしまった!!

「眠いんだったら、こっちで寝れば?」

そーいってベッド叩いてるし。

いやいや、初対面で同じベッドで寝るのはなー

「初対面だし、病人のベッドで寝るのはね」

「病人じゃないし!」

「でも病人も怪我人も一緒だよ!」

そう!入院患者だから一緒なんだよ

「ちげーし、とにかく寝ろ!」

げ、なんか逆らったら怖そうだからしたがっとこ



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop