青の哀しみ
ここ一年は、キノに酷くストレスを与えた一年だった。

キノと同じくらい大好きなおばあちゃんが癌になってから、私はキノをほとんど構わず、散歩の回数も減ってしまった。

もともと食があるほうではないキノは、ドックフードをあまり食べなくなった。

そして散歩が大好きなキノは、ストレスでとにかく吠えた。

それに苛ついて怒鳴ったり、小突いたりを何度も繰り返した。

どんなに忙しくても子どもの世話や、犬の世話をする人は沢山いる。

それなのに、私は全てが面倒になって、キノの面倒をあまり見なくなってしまったのだ。

そのことを思い返すたび、私の愛情なんて所詮そんなものだと思い、そんなときは自分を殺してしまいたくなる。

だけど、それでも今は違うと信じたい。

私はあの日、キノ以外の全ての物を捨てると誓い、その誓いを破った時は、私自身を裁いて、切り裂くと誓ったのだ。

< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop