俺様同居人とヒミツの関係!?
有無を言わさない眼力にまさか私が勝てるわけがなく、お互いが人の波をかき分け歩み寄り、手を握る。
その時の師匠の手は、いつも器用に、そして余裕に料理をする手ではなく……まさに手に汗握ったようで、そのなめらかさに危うく滑ってしまうかと思った。
ってか!
「し、師匠、こんなことしちゃ、」
「あ!? うるせー!」
自ら飛び込んだ人ごみを、今度は自ら去って行く師匠。
そして、その師匠の手に引っ張られる私。
私のファンがこの光景を見て発狂していたけど、この中で一番発狂したいのは私だ!
「(え、師匠どうしたんだろう? 何も言わないし、力も強いし!)」
後ろから見る師匠はさっきの声と同じく勇ましく、まるで結婚式場で花嫁を奪い去る第二の恋人みたい……!