ゆいちゃんと孤独
「孤独?」
ゆいちゃんは首を傾げました。
そして、黒いものを遠ざけるように後ろに下がって、手をブンブン振りました。
「孤独、嫌!嫌!バイバイしてっ」
ゆいちゃんはブンブン手を振り続けました。
ぼっちんは、少し悲しげに微笑みました。
「君も、そうやって僕を嫌うんだね」
ぼっちんはそう呟きました。
だけど、すぐに幸せそうに笑って、
「ゆいちゃん、君は何を失くしたんだい?」
とゆいちゃんに問いました。
ゆいちゃんは、答えられませんでした。
言葉が分からないからではありません。
何を失くしたのか分からなかったからです。
「分かんない・・・・」
「そっか。じゃあ、一緒に考えよう。何を失くしたのか」
ゆいちゃんは驚きました。
ゆいちゃんは初めて、自分のことを考えてくれる〝何か〟に出会ったからでした。
「ゆいちゃん。ゆいちゃんは何が悲しいのかな?どうして独りぼっちなのかな?」
「友達がいないから・・・みんな、ゆいちゃんのこと嫌うの。だから、独りなの」
「じゃあ、ゆいちゃんはみんなに「好き」って言ってもらえたら、孤独じゃなくなるんだね」
「うん。」
ぼっちんは、ゆいちゃんの気持ちを整理しました。
ゆいちゃんの心はまとまって、少し軽くなりました。
「好きは、愛だね。ゆいちゃんの心は、愛を失くしたんだね」
「愛・・・?」