ゆいちゃんと孤独
「うん。ゆいちゃんにはまだ分からないかな?」
「ゆいちゃん、馬鹿だから・・・」
「それは違うよ。どれだけ賢くても、愛を知らない人はたくさんいるよ」
ぼっちんは優しく微笑みました。
「じゃあ、ゆいちゃん。愛をどうやって手に入れる?」
「分かんない・・・・」
「そうか。じゃあ、また一緒に考えようね」
ゆいちゃんはぼっちんのことを不思議に思いました。
だって、ゆいちゃんが分からなくても、ぼっちんは笑っていたからです。
ゆいちゃんを嫌うことも、突き放すことも、叱ることもしなかったからです。
ちゃんと答えることが出来ないと簡単に見捨てる周りの人達とは、ぼっちんは違ったからです。
ぼっちんはずっと微笑んでいました。
ゆいちゃんが大嫌いな孤独の塊は、ゆいちゃんを温かく受け入れてくれていました。
ゆいちゃんを助けようとしてくれていました。
ゆいちゃんは、それがとても不思議でした。
「ぼっちん・・・どうして、そんなことするの?」
「どうしてって?」
「ゆいちゃん、ぼっちんのこと嫌いだよ。ゆいちゃんは嫌いされたら悲しいよ。ぼっちんは悲しくないの?」
「・・・悲しいよ。だけどね、ぼっちんは嫌われることが幸せなんだよ。ううん、ゆいちゃんが失くしたもの、愛を手に入れてくれることが幸せなんだよ。だから、幸せだよ」
「・・・・・」
「ゆいちゃんには、ちょっと難しいかな?」