ゆいちゃんと孤独


ゆいちゃんは、ぼっちんの話をあまり理解することが出来ませんでした。
だけど、ぼっちんが幸せだということは分かりました。


「ねえ、ゆいちゃん。僕が、失くし物を見つけるお手伝いをしてあげる。君が、失くした大切なものを見つけるまで、空いてしまった心の隙間を埋めるまで、僕が支えてあげる。」

ゆいちゃんは何だかとても幸せな気持ちになりました。
気付いたら、涙なんて止まっていました。

「うん、ありがとう」
ぼっちんの話はほとんど分からなかったけれど、ゆいちゃんは嬉しそうに微笑みました。



「・・・話を続けようか。ゆいちゃん、好きって何かな?どうしたら、みんなゆいちゃんを好きになるかな?」

「ゆいちゃんがお利口になったら、みんな、好きなってくれる」

「そっか。じゃあ、お利口ってどうやってなるのかな?」

「うーん・・・・」

「自分の意見を言わず、話を合わせる。言うことを聞く。それはお利口さんかな?」

「・・・分かんない」

ゆいちゃんには、お利口さんの定義など分かるはずがありませんでした。


「お利口さんは、あまりやりすぎたら、誰かのいいなりになっちゃうんだよ。だから、丁度良い具合を見つけないとね」

「お利口、難しいね・・・」

「そうだね、難しいね」


ゆいちゃんはふと、思いました。

「馬鹿やめたら、好きなってくれるかな」

「馬鹿・・・か。そうかもね。ねえ、ゆいちゃんは、したくて馬鹿をしてるのかな?」

「ううん。でも、ゆいちゃん馬鹿」



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