ゆいちゃんと孤独




「で、でも・・・みんなは馬鹿嫌い」

「本当にそう思う?」

ぼっちんはニヤッと意地悪に微笑みました。
ゆいちゃんは首を傾げました。


「馬鹿でも人気者の人はいるよ。好かれる人はいるよ。ゆいちゃんも見たことない?そんな人」

「・・・・ある。たっくん馬鹿。ゆいちゃんと同じくらい。でも、人気」

「でしょ?それに、例え周りの人が嫌っていても、自分が嫌いじゃないものを捨てたらダメだよ。嫌いじゃないものを嫌うフリをしたら、その子は泣いちゃって消えちゃうからね」

「うん・・・分かった!馬鹿、やめない」

「よし、良い子だ」

ぼっちんはゆいちゃんの頭を小さな手で撫でました。


その時、ゆいちゃんははたと気付きました。


「ぼっちん・・・・分かった。好きなってもらう方法」

「おお!何々?」

「どれだけ嫌われても、みんなを好きでいる。ぼっちんみたいに」

「えっ?僕みたいに?」

「うんっ!」

ゆいちゃんはニコッと微笑んで、ぼっちんにとっては大きなその手でぼっちんの頭を撫でました。


< 7 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop