ゆいちゃんと孤独
「で、でも・・・みんなは馬鹿嫌い」
「本当にそう思う?」
ぼっちんはニヤッと意地悪に微笑みました。
ゆいちゃんは首を傾げました。
「馬鹿でも人気者の人はいるよ。好かれる人はいるよ。ゆいちゃんも見たことない?そんな人」
「・・・・ある。たっくん馬鹿。ゆいちゃんと同じくらい。でも、人気」
「でしょ?それに、例え周りの人が嫌っていても、自分が嫌いじゃないものを捨てたらダメだよ。嫌いじゃないものを嫌うフリをしたら、その子は泣いちゃって消えちゃうからね」
「うん・・・分かった!馬鹿、やめない」
「よし、良い子だ」
ぼっちんはゆいちゃんの頭を小さな手で撫でました。
その時、ゆいちゃんははたと気付きました。
「ぼっちん・・・・分かった。好きなってもらう方法」
「おお!何々?」
「どれだけ嫌われても、みんなを好きでいる。ぼっちんみたいに」
「えっ?僕みたいに?」
「うんっ!」
ゆいちゃんはニコッと微笑んで、ぼっちんにとっては大きなその手でぼっちんの頭を撫でました。