ゆいちゃんと孤独
「ゆいちゃん、ぼっちんのこと嫌いだった。でも、ぼっちんはゆいちゃんを嫌いしなかった。ずっと笑ってた。ずっとゆいちゃんを好きでいてくれてる。」
「うん。だってそれは僕の仕事・・・・」
「だから、ゆいちゃんぼっちんのこと嫌いだったけど、好きなった。ぼっちんが好き。だから、ゆいちゃんもそうしたら好きなってもらえる」
「・・・誰かを愛することで誰かに愛されるようになる。誰かを好きになると誰かが好きなってくれる。・・・・ってことか。」
「ん??」
「いや・・・なんでもない」
ぼっちんは優しく微笑みました。
だけど、ぼっちんの頭はこんがらがっていました。
何故なら、ぼっちんは嫌われることが仕事だったからです。
嫌われても愛することで、嫌われても傍にい続けることで、人を救う。
それが彼の仕事なのです。
孤独を好く人間はいません。
だから、孤独に傍にいて欲しくない。
そう思って、無くなったものを探してもがく。
すると無くなったものを手に入れられる。
それが、ぼっちんの狙いだったのです。
孤独は悪者になることで、人を救ってきたのです。
なのに、ゆいちゃんはぼっちんのことを好きだと言いました。
嫌われても愛することで愛されるようになるということに、ぼっちんはゆいちゃんの言葉で気付いたのです。
自分は嫌われるために存在しているのに、愛されてしまっている。
それが、ぼっちんの心を大きく揺らしました。
だけど、ぼっちんはその心を隠して微笑みます。
「じゃあ、ゆいちゃんはどうする?」
「ゆいちゃん、みんなのこと好きなる。クラスのお友達も、先生も、天国のお母さんも、お父さんも、おばあちゃんも。みんなのこと好きなる。もちろん、ゆいちゃんのことも」
「そっか。じゃあ、そうしよう!ほら、ゆいちゃん。これで、ゆいちゃんの心の隙間は消えるね」
「うんっ!ぼっちん、ありがとう」
「ふふふっ」