向日葵
「はぁ、はぁ、」
息が上手く、できない
苦しい、苦しい
バンッ
生徒会室のドアが開く音がした
あの黒髪、
「ぁ、おいっ」
あたしを見たヒーローはガッと会長を突き飛ばしあたしを見る
助けて、一人はいや
そう思えば、思うほど息が上手くできない
「日向、ゆっくり吸え」
低く耳朶に響く声
「俺が来たから、もう大丈夫だよ」
昔のような、優しい声
「ぁ、おいっ、あおいっ」
無我夢中で、葵を抱きしめる
離れていかないように、存在を確かめるように