影姫にあいを
助けて
暖かい手が体温の低い私の頬に触れる、その感覚で目がさめた。
「起こした?」
少し驚いたように言うその人はさっきの手の持ち主らしい。
「誰、ですか?」
「そーだったね。俺は白原 優(しろはら ゆう)で情報屋してる。敬語はなし、呼び捨てにして。」
情報屋の人なのか。若いのに裏の世界にいるから落ち着いた雰囲気なんだろう。
ベッドで寝たまま話していることに気付き起きあがろうとする。
「いたっ!」
今回は暴れすぎたらしい。体じゅうが痛い。
「話聞きながら、背中とかお腹とか手当してもいい?見えてるとこしかできてないんだけど。」
コクンと頷く。
この体じゃどっちみち帰れないし
お言葉に甘えることにした。
それに悪い人ではない気がするし。