影姫にあいを
「俺じゃだめ?そのままじゃ美影が壊れる。」
「いいっ……それでいい、大事だから、壊すくらい、なら、壊れたって構わない。」
龍哉に拾われたのは中学生のとき、父親に虐待されて抵抗していくうちに私の暴走は止まらなくなるようになった。
母も父が暴れるのを私のせいにて、庇いもせずに、ただ止まらない私を怖がって、追い出した。
追い出されたのは雨の日でずぶ濡れでボロボロだったところを龍哉に拾われた。
それから私の大事なものはただひとつ。
龍哉と、龍哉が大事にする夜月。
龍哉のそばにいることで自分を保てる。
でも苦しそうにゆがむ優の顔を見ると私まで辛くなっていくのはどうしてだろうか。