影姫にあいを
私は現実に目を背けて、倉庫の端に置いてあるソファーまでなんとか歩く。
立ってるのはきついしかといって幹部室の方まで行くのも気が引けた。
下っ端専用ソファーに座って丸くなったところで下っ端くん達がこっちに来た。
下っ端くんの中には私に友好的な子もいる。
「どこいってたんすか?
これから無理は禁物ですからね。」
そういったのは結衣くんだった。
結衣くんはよく声をかけてくれるし、この倉庫で1番の癒しだ。
「ごめんね。いろいろあって……。」
「美影さんはすぐに無理しますからね。
たまには頼ってください。」
「たまに話してくれるだけで嬉しいから。」
うん。癒しがあるのは大事なことだ。
「じゃ、おやすみ。」
私は眠気に負けて結衣くんの返事も聞かずに寝てしまう。
顔が赤い結衣くんに気づかないで。