影姫にあいを
少し落ち着いてタオルを目から離す。
タオルを側に置いてすぐ近くに居た優に思い切り抱きついた。
「優が大好きっ!」
「っ!」
すると少しびっくりした優が私を抱き上げた。
「知ってる。」
すぐに余裕の笑みで返される。
「優に会えてよかった。」
心からそう呟いて優の肩に頭を乗せる。
優の匂いも、少し冷たい体温も、息遣いも、頬に触れた柔らかい髪も、
すべてが心地よくて少しくすぐったいような気持ちになった。
そして、優に頭を撫でられながら私は眠った。