イタミ
体育の授業が六時間目だったので、君はそのまま帰りの会には出なかった。


先生はいま傷の処置をしていると伝えて、いつもどうり帰りの会は始まった。






先生の話になって、先生が明日のことなどを話している。




「あ、そうだ。今神埼が保健室にいるんだが、誰かカバンを届けてあげてくれないか?」








先生のその言葉にクラスが静まり返る。



誰も反応しようとしない。





私は嫌な予感がした。


このまま誰も手を挙げなかったら…。



美山さんが手を挙げる。


そんな気がした。



そう思った瞬間。


私は手を挙げていた。



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