*ハツコイの味*-空色のキミに-
「ねー、命?この子誰~?」  
 
女の子の明るくてかわいい声が私の耳を貫いた。


……命って呼ばれてるんだね。



「えっと……、」


……なんで命くんは言葉につまってるの?
言えばいいじゃん……ともだちって。









  

だって私たちは……。









ともだち、なんだから。











「ジャマして……ごめんねぇ」



その言葉だけを残して私は逃げるように教室を出た。




もう、これ以上。




好きな人の空色の瞳を……。





見ていられなかった。
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