*ハツコイの味*-空色のキミに-
あの時の声は誰。

さっき頭のなかでぐるぐると回っていた疑問を思い出す。


あの時、皐月くんはいなかった。

私と関わりのある男子は少ない。
私を名前で呼ぶ男子も少ない。



ということは……。


私のなかで一人の男の子の名前が浮かんだ。
その言葉を吐き出したい気もするし、吐き出そうとすると苦しい感じもする。



第一、合ってるのかもまだわかんない。



喉まで迫った言葉をグッと飲み込んだ。



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