*ハツコイの味*-空色のキミに-
そして時は流れ、中学生に。



私は、内気な性格になりかけていた。
友達こそいたけれど。



「杏里ってさー、やっぱトロイよね?」


「それなぁ!!男子はそこが良いとか言ってるけどぉ、ぶりっこなだけじゃん?」




そんなことを友達がトイレで言っていることは
少なからずとも気付いていた。



「……私はそんなつもりないのにな。」 




取り残されたトイレの個室で私は、ひとり涙を流した。



ーーーなんで私はこんな体質なんだろう?

ーーーもっと、もっと……しっかりしたコに生まれたかった…。
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