君色
「…アホ」
薫は優しい声で
そして長い腕で
あたしをそっと
包んでくれた
「さっきも言ったけど、俺にやったら甘えてええねんで。弱さ見せてええねんで俺めっちゃ嘉穂の事好きやから嘉穂の思って事全部知りたいねん」
薫は微笑んで言ってくれた
「…うん。ごめんね」
「わかればええねん」
「あたしの事絶対離さんといてな」
「当たり前やろ」
そう言い交わして
あたし達の唇が
触れ合った
風が吹き
桜の花びらが
大空へと舞っている…