君色
「やっぱここはええな」
満面の笑みで
薫は言う
「なんでいっつもここなん?」
あたしは今まで
疑問に思っていたことを
聞いた
「ねっころがってみ」
「えっ?」
「えーから。ほれっ」
薫はあたしの腕をひっぱり
あたしを草の上に
寝かせた
「でっかいな…」
あたしの目に
飛び込んできたのは
雲一つない大空だった
「俺ここにねっころがってこの空見てると胸がグッてすんねん。なんやわからんねんけど、勇気もらえんねん」
薫気持ち
わかる気がする
心が広がっていく
気がする…
「そのネックレスな、SkyHeartってゆうねん。空みたいにでっかい心って意味やって」
「SkyHeartか…あいつネーミングセンスあんな。ええ名前や。今の俺にはピッタリかもな。もっとデカならなあかんな」
心地いい風が吹く
木の葉が揺れ
鳥たちが大空へと
羽ばたく
あたしはこのままずっと
あなたの隣にいれると
思ってた
あたしはまだ
あたなのこと
なんにもわかってなかった
もうあなたは…
空の上人になったんだ