The Pacific War ~過去との遭遇~
今日が4月21日だから、史実通りならあと1ヶ月でミッドウェー海戦か。

作戦を延期させる事も考えたが、米軍は待ってくれない。ミッドウェー島の攻略は急を要するのだ。

米軍が空母を量産し出す前に、なんとかせねばなるまい。



しばらくして、宇垣少将と黒島大佐が入ってきた。

「揃ったな。では始めよう」

まず黒島大佐が話し始めた。
「我々の情報分析によると、ミッドウェー島には現在飛行艇24、戦闘機11、爆撃機12に加え、海兵隊750の戦力が存在していると思われる」

俺は即座に否定した。
「史実通りならば、現在ミッドウェー島には海兵隊3000、航空機150が存在しているはずです」

「ほう...そこをなんとか攻略するためには、どうすれば良いか?」と宇垣少将。

「まず、この戦闘に米軍は空母4隻を投入してきます。現在日本軍の稼働正規空母は5隻ですが、その内「瑞鶴」は搭乗員補充のため投入できません」
続けて言った。

「空母同士の戦闘ならば我々が優位に立てますが、ミッドウェーやハワイの航空隊も援護に来るならば、明らかに我が軍が劣勢です」

3人は俺の話を真剣な表情で聞いていた。
「ですから、空母6以上の戦力での敵空母撃滅の後、戦艦によるミッドウェー島砲撃、そしてミッドウェー島上陸作戦を実行するのがベストかと思います」

ミッドウェー海戦の敗因の1つは、ミッドウェー島の攻略と並行して米空母の撃滅を行ったことである。
二兎追うものは一兎をも得ずだ。どちらも完璧を期さなければ作戦成功とは言えない。

山本長官が何かを書いていた。
「戦艦はどうにかなるが、正規空母はどうやっても4隻しか投入できん。後は軽空母の「隼鷹」と「龍驤」を投入せねばならんな」



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