たとえ一生に一回だけでも…
私が先に好きだったのに

マカロンさぁ、C組に仲いい奴いる?

「 マカロンさぁ、C組に仲いい奴いる?」


焦る時よくやるペン回しをしながら、私の好きな人は顔を真っ赤にして聞いてきた。

心臓が、張り裂ける。
口から心臓が出そう。
そんな気持ちを体感してる。
上ずりそうな声をぐっと我慢し、彼に聞く。


「しーらない。ってか、なんで?」

昼休み、後2分でチャイムはなるのに、確信をついてしまった。
彼の答えは何となく噂で、今朝聞いたばかりで、まだ心の処理なんて出来ていなかった。
できることなら早退したい位、その場で泣き崩れてしまいたい位の噂。


「女子はマカロンにしか言わねからな。
俺、C組に好きな人は出来たんだ。」

案外簡単に言った。
そしてチャイムはなった。

「あーそー…」

言うしかなかった。

チャイムとともに入ってきた古文の山田先生に、耳打ちで

「生理痛きついんで、保健室行ってきます。」

そう言って、世界で一番好きな奴に他に好きな人が出来たという現実から逃げた。


相沢夏美17歳 あだなマカロン
久瀬仁紀17歳 あだなヒトキに
失恋しました。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop